avex

エイベックス 新社屋のすべて

vision

すべては次なるヒットのために─
新社屋で描く
エイベックスのビジョン

2017年12月、エイベックスの新社屋が南青山に完成しました。しかし今回の新社屋プロジェクトは、単なるビルの建て替えではありません。これからの働き方や、エンタテインメント業界を取り巻く環境の変化を反映した、まったく新しいコンセプトの社屋をつくり上げたのです。そんな新社屋に込めた想いについて、代表取締役社長CEOの松浦勝人が語ります。

松浦 勝人 エイベックス株式会社 代表取締役社長 CEO

外部とのコラボレーションが
生まれるオフィスに

このたび完成したエイベックスの新社屋は、もともと現在とはまったく異なるプランで設計されていました。それが決まったのは4年前。当時は、働き方の議論も現在ほど活発ではなく、ごく一般的なオフィスビルの設計でした。執務フロアは島型、エンタテインメント企業らしい特別な設備もありません。
 しかし、そこから世の中の働き方の風潮は一気に変化します。それはエイベックスが、社内の構造改革を進めていた時期にも重なりました。
 近年のエイベックスは、会社が大きくなった分、社内から活気が失われたように感じていました。「業界の常識はエイベックスの非常識」と言われていた頃の気概が薄れ、昔の成功体験をなぞるような、小じんまりとした考え方が蔓延していた。構造改革に際して、私たちは新しく「Really! Mad+Pure」というタグライン(企業理念)をつくりました。ともすると“Mad”と思われることを、限りない努力と“Pure”な気持ちで実践したことで、エイベックスは数々の成功体験を得てきた。その気持ちを取り戻さなければ、大げさではなく、エイベックスに未来はないという危機感があったのです。
もう一度、オフィスに社員が300人くらいだった時代の活気を取り戻したい。そう考えたときに、従来型の新社屋の設計に疑問が湧いてきました。それで昨年の秋頃から議論を重ね、構造改革後のエイベックスの考え方を体現し、かつ、エンタテインメント業界に新しい働き方を提案できるような、まったく新しいオフィスをつくることに決めたのです。

コワーキングスペース「avex EYE」

 まず考えたことは、「いかにオフィスに多様な人を集めるか?」でした。これは2016年11月にエイベックス・ベンチャーズ(AVT)を設立したことも影響しています。AVTは、エンタテインメントに関連する「テクノロジー」と「人材」を対象に投資・支援をする会社です。そこで、新社屋の2階にも、コワーキングスペースをつくることにしました。ここに入居するのはAVTの出資企業だけとは限りませんが、スタートアップの人々やエイベックスが面白いと思うクリエイターに社員と同じ空間で働いてもらうことで、業界を超えたコラボレーションが生まれてほしいですし、何よりも社員に、「自分たちはこのままでいいのか?」という危機感を抱いてほしいと思っています。

変化に対応できない社員は
どんどん置いていかれる

以前から、エイベックスのライバルは同じ業界からは出てこないと考えていました。エンタテインメントと隣接するIT企業、突き詰めればAppleやGoogleのような企業がライバルになっていく。そして、実際にそうなりつつあります。だから、テクノロジーを使って新しいことをやりたいという人たちに、社内をどんどんかき混ぜてもらいたい。そのくらいでなければ、ビジネスを取り巻く環境の変化には対応できなくなるでしょう。
 加えて、社内に活気を取り戻すためには、外部から新しい風を入れるだけでなく、社内のコミュニケーションも活性化しなければなりません。そこで、社員が働く執務フロアは従来の島型ではなく、フリーアドレス型に変えました。デスクが固定されていると、コミュニケーションも部署単位で固定化されがちです。フリーアドレスにすることで、社内にも流動性が生まれ、部署にこだわらないコラボレーションが生まれてほしいと思っています。社員食堂やレッスンスタジオ、レコーディングスタジオをつくることにしたのもすべて同じ理由からです。

執務フロア

執務フロア

これらの改革がどこまで成果に結び付くかはまだ分かりません。しかし、このタイミングを逃したら、ここまで大胆な働き方を変える提案はできなかったでしょう。今後のエイベックスに必要なのは、「石橋を叩くよりも、まずやってみよう」という精神です。そうしたメッセージも、新社屋には込められています。
 また、これがエイベックスの考える「エンタテインメント企業オフィスの決定版」というわけではありません。ここだけではスペースが足りなくなるくらい成長しなければならないし、時代の変化に合わせて働き方もどんどん変えていかなければならない。「従来の働き方が良かった」という人は、これから置いていかれると思ってほしい。
 すべてはヒットを生むための改革です。昔の常識のまま働いていてもヒットは生まれない。だから、会社として現状で考え得る限りの環境は用意しました。あとは、社員の一人ひとりがこの環境をどう活用していくかにかかっています。

松浦勝人 masato matsuura エイベックス株式会社 代表取締役社長 CEO

1964年、神奈川県生まれ。88年4月にエイベックス・ディー・ディー株式会社を設立し取締役に就任。レコードやCDの輸入卸売業を始める。90年にはレコードレーベル「avex trax」を設立。04年、エイベックス・グループの持株会社エイベックス・グループ・ホールディングス(現・エイベックス株式会社)の代表取締役社長に就任。